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chisato saito      
 
肖像
見えてしまうカタチについて
rice dot drawing vol.1
rice dot drawing vol.2
be in clover

三昧 -live in clover-
気泡 2005-2007
気泡 2008-
版画(学生期)
その他
 
be in clover

素材:ビニールの自作チップ2万枚/写真/本 制作年:1999,2000-2003

タイトルのbe in clover は仏教用語で三昧(ざんまい)という意味です。
可能な限りたくさんのクローバー形(ドット)を制作することから始めました。
まず水彩で原画(下絵)を描きます。次にその上に1mmのビニールを敷いてカッターでくり抜いていきます。
100個のチップを作るのに、100個のクローバーの図をひとつひとつ描いて、コツコツくり抜く。
したがって全てのチップはそれぞれ微妙に違う形になります。
不幸や幸運な出来事、日々の平凡にすら、全く同じ時間は2度と巡って来ないように、チップも全く同じ形がくり返されることはありません。そして幸運を示す四葉をたまに混ぜて、希望を盛り込みました。
そして作られたチップを床にひとつひとつ置いて、線を描く。更に線を列ねて面や形を作っていきます。
クローバーたちは透明ビニールで出来ているため、うっかりするとあることにすら気付かないくらいの存在です。
しかし鑑賞者の立ち位置によっては、小さなビニールの点々に光りが反射して、キラキラと光る空間が出現します。

クローバーを見つけると反射的に四葉を探してしまう人は多いと思いますが、確かにありきたりな三つ葉の中に
四葉を見つけると良いことがあるような気持ちになります。一つの四葉が人の心に影響を与える。
人間はささやかで愛しい存在です。
本当はありきたりな日常生活も毎日全て少しずつ違っていて、全く同じ時間はくり返さず、平凡な日々も後で振り返ると愛すべき点に気付いたりします。

クローバー形(たくさんの三つ葉と少しの四葉)のチップを点に見立てて、ひとつひとつ丹念に床に並べて、空間をささやかに変貌させることを試みましました。少しずつ違う愛すべき平凡や不運とたまの幸運。それらを点々で表すため、大量生産品のように同じ形のリピートではなく、手作業で少しずつ微妙に違う形のもので構成したいと思いました。また、デジタルとアナログの共生という意図込められています。

チップを抜いた後、クローバー型に穴の空いたビニールをかざして、クローバー穴を透過した風景を撮影して写真に。
原画の水彩画は複写機を使ってプリントしたものを綴じて本に。
こうしてクローバー型の点から本、写真、インスタレーションの3つの作品が派生しました。

 

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