素材:ビニールシート、米粒、ボンド 制作年:1998-2000
「世界は粒子で出来ている」ということは仏教の世界では中核の思想であり、科学の世界では事実でありますが、世界は奥深いことろで繋がっていることを私たちに伝えてくれます。
1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+・・・・・カタチ?
私たちも、そして身の回りにある全てのカタチが何かの粒の集積構造体なのだから、まずは身近にある粒や点で、
身近なものをトレースしたいと思ったのが、rice dot drawingを制作するきっかけでした。
ゴマでは小さく、小豆では大きすぎるように感じられ、最終的に残ったのが米粒。
アジアの各地で米は単純に食べ物というだけではなく、さまざまな神事に使われていて、神聖な存在でもあります。
ところで粒は米が立つと書きますが、米(メートル)、粁(キロメートル)、糎(センチメートル)、粍(ミリメートル)、
粨(ヘクトメートル)など計測する言葉にも米は使われています。
世界を単純化して、表示するのにちょうど良い素材であるとも思えました。
米粒をドットに見立て、自分の身体を出力機に見立て、手作業でビニールに米粒で形を描く。
素描であると同時に「人力による超アナログプリント」というわけです。
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